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作業は順調だった。
しかし、残りが五冊程度になった時、目にしたノートの名前に手が止まった。
きりやま はるき
この子は確か、親御さんが亡くなったため二日後にT県の祖父宅に引っ越しすると聞いた。
普段から大人しい子で、クラスにも馴染めていないようだった。
独り言が多く、よく一人で席に座り自由帳に絵を描いていた印象がある。
徐に、絵日記の表紙を開いた。
一年生にしては、よく描けている絵。余程絵を描くことが好きなのだろう。次々とページをめくっていくが、あるページで再び手が止まった。
――八月三日からの日記。
その日に彼の家にやって来た、「ぽち」というペットの存在。
私は何故か「ぽち」が気になり、読み進めてみることにした。
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