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「こんばんは」
そう言いながら、片手にビールを持ち、窓を開けて僕の部屋に入ってきたのは、同い年で幼なじみの千秋だった。
夏も終わり、秋の冷たい夜風が部屋の中に流れる。
僕の住む家は二軒屋で、隣に住んでいるのが千秋だった。
風呂に入ったばかりなのか、乾ききっていない腰まである髪が蛍光灯の灯りを反射して、ちょっと色ぽいと思ったけど、白いTシャツに赤いジャージのズボンが残念だった。
「もう37なんだからさ、窓から入ってこなくても」
僕はそう言った。
「37にもなって、ロリ漫画で一人エッチするのはやめなさいよ。それより何より、そのちんちんをしまいなさい」
とりあえず僕はトランクスを履き、エロ漫画を閉じた。
そんな僕にはお構いなしに、千秋は僕のDVDライブラリーを物色し始めた。
「エロDVDばっかりね。しかも疑似ロリ系。ほかはアニメばっかり。もっと普通の映画は無いの?」
「あるけど、微妙な感じかな?安岡力也主演の山岳パニック物とか。安岡力也が襲ってきた雪男とか、雪女と死闘を繰り広げるんだけど」
「たしかに微妙ね。ほかには?」
「そうだな、もう何度も見た『青い珊瑚礁』、『レオン』、『さらば青春の光』ならあるけど」
「じゃあ、ロリ系でない『さらば青春の光』でいいわ」
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