秋桜

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 千秋が僕の部屋に映画を見に来るようになったのは最近の事で、それ以外の事は一切無かった。  若いときなら何やかんやとあったかも知れないが、3次に興味と体力が無くなった今は、こうして過ごしていてもそれで十分だった。  「あんた、この映画好きだよね」  千秋が映画を見ながら言った。  「あぁ、これと『王立宇宙軍』はもう十回以上は見てるよ」  「どこがいいの?」  「ダメな奴は何をやってもダメと言うところと、ダメな奴でもいつか何とかなるみたいなところかな?」  「正反対じゃん」  「まぁ、諦めつつも、諦めきれないと言うところかな」  そんな話をした後は、時に会話もなく映画も終わり、窓の外を見ると空が青白くなり始めていた。  千秋はそろそろ帰ると言った。  窓を開けて出て行くときに千秋は見送る僕に言った。
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