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『…いつ、引っ越すの…。』
覚悟を決めた美結は溢れ続けていた涙を拭いて、下を向きながら両親に問う。
「向こうの学校に美結が中学3年生になる頃には引っ越そうと思うの。
…だから、こっちのお友達…それと泉くんとは2年生でお別れしなくちゃね。」
『…わかった。』
それだけ聞くと、美結はフラフラと立ち上がり、両親が心配そうに見つめる中居間を出て自分の部屋へと戻っていった。
その日、美結は自分の部屋から出てくることはなかった──
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