第3章

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―1年後― 高校生になった美結は、埼玉へと戻ってきていた。 通うことにしたのは、西浦高校。 家から近いし、私服OKだから楽だし…それに三星学園で仲良くなった廉ちゃんがいるからここにしたのだ。 …しかも、ここの野球部は軟式らしいから、彼に会うことはないだろうと思って── (あ、グラウンド…) 美結は入学式の前日、西浦高校の見学に来ていた。 広い敷地内をフラフラしていると、目の前に見えたのはグラウンド。 たくさんの部活が使っているのか、アメフト部のポールや野球部のマウンドなど…いろんなものがグラウンド内にはあった。 (野球部、かぁ…。) マウンドを見て、ふと思い出すのは彼の顔。 そして自分が野球をしていた頃の思い出。 なんだか無性に悲しくなって、首を横に振った。 _
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