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新しいとゆうことは、どうしてこんなに心を踊らせるのだろう。
真新しい上履きに包まれた足を見ながら、堤大輔(つつみだいすけ)は心が弾むのを感じていた。
まだ幼さの残る顔立ちからは、高校2年生であることは想像もつかない。
それが大輔のコンプレックスでもあった。
大輔には母親がいない。うんと小さい頃に亡くしてしまっていた。そんな大輔を父親は男手一つで育て上げ、父一人子一人でひっそりと暮らしてきた。
そんな父親の転勤が決まり、大輔は住み慣れた町を離れ、この町へ引っ越してきたのだった。
もちろん、高校2年生である大輔は、きちんと編入試験を受け、見事この県立桜高校に編入した。
まだ見たことのない、自分のみが知らない世界。
大輔は気を引き締め、職員室へと歩きだした。
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