彼女

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
新しいとゆうことは、どうしてこんなに心を踊らせるのだろう。 真新しい上履きに包まれた足を見ながら、堤大輔(つつみだいすけ)は心が弾むのを感じていた。 まだ幼さの残る顔立ちからは、高校2年生であることは想像もつかない。 それが大輔のコンプレックスでもあった。 大輔には母親がいない。うんと小さい頃に亡くしてしまっていた。そんな大輔を父親は男手一つで育て上げ、父一人子一人でひっそりと暮らしてきた。 そんな父親の転勤が決まり、大輔は住み慣れた町を離れ、この町へ引っ越してきたのだった。 もちろん、高校2年生である大輔は、きちんと編入試験を受け、見事この県立桜高校に編入した。 まだ見たことのない、自分のみが知らない世界。 大輔は気を引き締め、職員室へと歩きだした。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!