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私の名前は樹愛梨(ミキアイリ)。
幼馴染みの旭海里(アサヒカイリ)のことが昔から大好きで、今から電話告白するところ。
わざわざ部屋に持ってきた電話の子機が、私の手と共にプルプルと震えている。止まれ、私のバカ!
ともかく、樹愛梨、いっきま~す!!
ピ……ポ……パ……
静かな部屋に、電子音だけが鳴り響く。
昨日やっとケータイを購入した海里は、今朝私に番号を教えてくれたばかりだ。まあ、私は持ってすらいないんだけどね!
だからメールで告白なんて、根本的なところから不可能だったし、でも直接言うのは恥ずかしすぎた。
ずっとずっと伝えたかったこの気持ち。それでも、やっぱり家に電話するのは、昔から馴染みとはいえ家族が出る可能性もあって、そのたびに色々な理由をつけてやめていた。
だが今、私はついに勇気を振り絞った!
いけっ、樹愛梨いいいッッ!
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