再会

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「お久しぶりです、美嶺マネージャー」 「あら、碧山さん。久しぶりね」 キッチンから碧山さんが顔を出した。 「外は寒いですから、コーヒーでも召し上がって下さい」 「ありがとう。仕事が落ち着いてからで構わないわ」 碧山さんは仕込みで忙しいにも関わらず、コーヒーの用意をしてくれた。 「碧山さん、まだ4号店で頑張ってくれていたのね。彼女、来年の春はどうするつもりなのかしら」 少し心配そうに碧山さんを見つめる美嶺マネージャー。 俺もその視線を追った。 碧山さんは来年の春に大学を卒業する予定になっている。 ただ卒業後の進路については聞いてない。 卒業したらカトレアの正社員として働いてくれるのか、辞めてしまうのか。 碧山さん自身も言ってこないし、俺もまた訊かなかった。 「碧山さんも4号店でのアルバイトが長いわ。彼女ならいい戦力になるはずよ。あ、私が口出す権利はないわね。それより亜紀はどこにいるのかしら?」 「飯泉店長なら」 俺が言いかけたとき…
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