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「みっちゃん!」
買い物袋を片手に息を切らした飯泉店長は、がばっと美嶺マネージャーに抱きついた。
「亜紀!久しぶりね」
飯泉店長を優しく抱き止め、子供をあやすように頭を撫でる美嶺マネージャー。
(飯泉店長も久しぶりの再会だったんだな)
と、俺は二人の光景を見守っていたのだが。
「亜紀!あなたって人は、また発注ミスしたわね」
美嶺マネージャーは突然、飯泉店長の目の前で怒鳴り始めた。
「ど、どうして私だって分かるのよぉ?」
涙目で訊ねる飯泉店長に、美嶺マネージャーは嘆息した。
「つき合い長いんだから当然だわ。第一、私が佐京君にマネージャー業務を叩きこんだのよ。佐京君がこんな些細なミスをするはずがないわ」
(それはそれでプレッシャー、買いかぶり過ぎでは…)
俺の心の声など、二人に届くはずはない。
「半年経っても全っ然、成長してないんだから!」
「そ、そんなに怒らなくてもいいじゃないのよ~」
飯泉店長と美嶺マネージャーはとても対照的で、並んだ二人を見ると美嶺マネージャーが店長に見えてしまう。
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