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「それで佐京君。この大量の卵をどうするつもりなのかしら?」
すっかり仕事の顔になってしまった美嶺マネージャーは、顎に手を押しあてた。
「ランチのデザートをプリンに変更して、仕込みをしてもらっている所です。木ノ下AMに報告の連絡を入れてきます」
「そうね…佐京君、ランチのデザートだけでは大量に余ってしまうわよ。そこはどう対応するつもりなの?」
「確かにランチは二時間半と売り切るには厳しいと思います。ですが、ランチ後はプリンを安い値段で提供し、お客様の反応を見たいと思います」
「それでは赤字になるわ」
おずおずと飯泉店長が言った。
安い値段では発注した卵の金額より、かなりのマイナスになってしまう。
「赤字は避けられませんが、捨ててしまうよりかはいいと思います。何よりお客様の反応を見るいい機会ですし」
木ノ下AMの判断にもよるが、お客様の反応が良ければ新メニューとして提供する事も可能だ。
赤字になってしまうのは致し方ないが、勉強させてもらってると気持ちを切り換えていけば、少なくとも俺は気にならない。
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