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「それがいいわね。亜紀、今後は発注や事務仕事は佐京君に任せるのよ。佐京君も二度とこういう事にならぬよう、亜紀が何を言っても無視してくれて構わないから」
「はい」
すると、美嶺マネージャーは盛大なため息をついた。
「ダメね、もうマネージャーじゃないのに口出しして…」
「ごめんね、みっちゃん…」
飯泉店長も普段以上に責任を感じているようだ。
何だか飯泉店長の肩が小さく、不憫に思えてしまう。
「私がいたら邪魔になるから、ここでお暇するわね。それじゃ、圭介が来たらお弁当を渡しといてちょうだい」
美嶺マネージャーはそう言って、にっこりと微笑んだ。
その後ろ姿を見送りながら、
「やっぱり私って何をやってもダメね…」
ぽつりと飯泉店長が言った。
「誰にでも欠点はあります。飯泉店長がそんな顔してどうするんです?ここは飯泉店長の店なんですよ」
励ましのつもりで言ったのに、飯泉店長はうっすら涙を浮かべてしまった。
「そうね…みっちゃんに心配かけないように、頑張らなくっちゃね!」
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