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「それで木ノ下AM、その話が本当なら佐京君はどこに異動になるんですか?」
「これもまだ確定ではないんだが、佐京マネージャーの異動先は…3号店だ」
「3号店!?」
3号店といったら、理央がいる店だ。
今俺がいる4号店の前にいた店である。
「どうして急に異動の話が出たんですか?」
俺の問いに、木ノ下AMは眉根を寄せた。
「花沢 直人…」
ぽつりと名前を口にした。
俺と飯泉店長は顔を見合わせる。
どうやら飯泉店長も知らない人物らしい。
ただ一つ分かるのは、花沢直人という人物には相当の影響力があるということだ。
「僕も最近になって知った人物だ。まだ面識はないが、相当のやり手らしい。何でも売り上げの悪い店を次々に立て直したという、本社でも一目置かれている存在だ」
(花沢、花沢…まさかな)
俺は考えを振り切るように頭を振った。
「佐京マネージャーの異動も、僕がこのエリアから担当を外れるかもという話も、花沢さんが指示をしているらしい。佐京マネージャー、花沢直人という人物について知らないか?」
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