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「飯泉店長。俺…ずっと考えていたんですけど、この事務所にコーヒーメーカーを置きませんか?」
「コーヒーメーカー?」
飯泉店長が顔を上げる。
「えぇ。事務所で仕事してると、コーヒーの匂いが恋しくなって」
「佐京君、コーヒーが好きだもんね」
飯泉店長はクスッと笑みを浮かべた。
「俺はおっちょこちょいの飯泉店長で、今のままの飯泉店長でいいと思うんです」
「ミスばっかりなのに?」
「それが4号店じゃないですか」
意地悪く言う。
「ひっど~い!」
「俺が言いたかったのは、俺や周りのみんなでフォローするから、自信を持ってホールにいてほしいって事です」
「ホールに?」
「人は完璧じゃありません。店長だからと気を張ってたら疲れます。俺や周りのみんなでフォローする、飯泉店長にとってホッと安心できるコーヒーのような存在でありたいんです。少なくとも、俺はそう思って一緒に仕事をしてます」
飯泉店長は目を丸くしていたが、ゆっくり笑顔を見せた。
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