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「俺が言ったら生意気になりますが、いつもニコニコとホールに立ってる飯泉店長を見たらお客様や俺たち従業員もホッとできます。みんなは小さい子に手を振ったり、笑顔で接客している飯泉店長が好きなんです」
「ホールだけしてろって事?」
飯泉店長がフグのように顔を膨らませる。
「そんなつもりじゃないんです!すみません、こういう時って何て言ったらいいのか分からなくて…」
「ううん、いいのよ。言いたい事は分かってるから」
飯泉店長の言葉に恐縮してしまう。
「ねぇ、佐京君。異動の話が本当だったら、行くの?3号店は佐京君が前にいた店だし、高野さんがいるじゃない?」
「理央がいるいない関係なく、異動の話があればどこの店にでも行きますよ。だから俺は3号店から4号店に来たんです」
「そうよね…佐京君、真面目な人だもの」
寂しそうな表情を見せたが、飯泉店長はすくっと立ち上がった。
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