2人目の再会

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(暖かい店に行くはずが、どうしてこんなところにいるんだろう…理央の口から確かに暖かいところへ行こうと言われていたが、ここだったのか?) 俺は両手にズッシリとぶら下げた荷物を見ながら、そっと嘆息する。 てっきりカフェや近くの飲食店に入るものだと思ってたのに。 それより、どうして女性はこんなに買い物が好きなんだ? よく男が女性の荷物を持って歩いてる姿を見たことがあるが、まさか自分がそうする日がくるとは露にも思ってなかった。 そうこうしてるうちに、蝶が花から花へと移るように、理央は瞳をキラキラさせながら次々と店の中へ消えて行く。 俺は理央を見失わないように、なるべく遠くから理央の姿を見守った。 知り合った頃には見せなかった、心から笑う本当の笑顔。 理央のその笑顔を見る度に、締めつけられる。 ーその笑顔を決して曇らせる事のないようにー 理央が昔つき合っていた恋人、花沢さんにそう言われてるような気がして…
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