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「凱!あれ見て」
やっとブティックから解放されたところで、理央はショーウィンドウの前へ駆けて行った。
たくさん荷物を持っているせいか、早く走れない。
慌てて理央の後を追うと、目に飛び込んできたのは純白のウエディングドレスだった。
「きれい…」
うっとりとウエディングドレスを見上げる理央。
ようやく理央に追いつき、ウエディングドレスに視線を這わせた。
理央のウエディングドレス姿、すごくきれいだろうな。
思わず理央のウエディングドレス姿を想像してしまう。
その隣にいるのは俺か分からないけど、俺だったら…と願わずにはいられない。
「すごくきれいなドレスだな。きっと理央なら似合うよ」
「う~ん…そうかしら?でも似合う女性になりたいと思うわ」
「理央ならどんな服でも似合うよ。俺が保証する」
「凱の保証じゃ嬉しくないわ。凱のセンスって良くないもの」
理央はいたずらっぽく笑った。
「理央!」
(今訊いてしまおうか…)
理央の名前を口にしたときに思った。
いいタイミングである。
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