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3号店に到着すると、出迎えてくれたのはマネージャーの葵さんだ。
「え?嘘…佐京君?やっだぁ~、佐京君じゃない!」
口許に手をあて、目をまん丸に開いた葵さんは幽霊でも見るかのように俺の体をペタペタと触る。
「よ。元気か?凱」
葵さんの背後からコック姿の夕貴。
「うん、俺は今日も元気いっぱいだよ」
「理央、佐京君が元気いっぱいだって。そりゃあ~、理央が隣にいるからねぇ」
「葵さん。凱が元気いっぱいだと、それはそれで怖いですよ」
「確かに、今日の雨はそのせいね」
更に宇佐美店長が混ぜっ返し、理央が頷いた。
店に笑いが起こり、皆から皆へと広がっていく。
ひどい言われようだが、それは親しみが込められたものだということを知っている。
「久しぶりね、佐京君。半年振りかしら」
「お久しぶりです、宇佐美店長」
宇佐美店長は俺と理央の顔を交互に見ると、ゆったりと微笑んだ。
「2人とも休みなのに、いらっしゃい」
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