2人目の再会

13/21
前へ
/122ページ
次へ
「本当に木ノ下AMが言ったの?」 理央の声が微かに震えてるのが分かる。 「あぁ。本社でも情報が錯綜してるらしいけど、木ノ下AMの話だと相当のやり手らしい」 俺は不審に思って理央に声をかけた。 「…理央?もしかして知り合いなのか?」 理央の様子が明らかにおかしい。 複雑な表情を浮かべる理央に、俺は再度呼びかける。 「理央?どうした?」 「え?あ、何かしら?」 「いや、ぼうっとしてたみたいだから」 「ごめんなさい、何でもないわ。少し疲れたみたい」 理央は目を逸らして言った。 いつもの理央らしくない取り乱しぶりに多少の困惑をしたものの、俺は気づかないふりをした。 そのときドアが開き、事務所に宇佐美店長が入ってきた。 「2人とも、これからお昼でしょう?西田マネージャーがカルボナーラを用意してくれたわよ」 「あ、今ドアを開けます!」 理央がトレイを持った宇佐美店長のためにドアを広く開ける。 トレイの上に半熟の卵が乗った、カルボナーラと暖かいスープが2人分乗せられていた。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加