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「本当に木ノ下AMが言ったの?」
理央の声が微かに震えてるのが分かる。
「あぁ。本社でも情報が錯綜してるらしいけど、木ノ下AMの話だと相当のやり手らしい」
俺は不審に思って理央に声をかけた。
「…理央?もしかして知り合いなのか?」
理央の様子が明らかにおかしい。
複雑な表情を浮かべる理央に、俺は再度呼びかける。
「理央?どうした?」
「え?あ、何かしら?」
「いや、ぼうっとしてたみたいだから」
「ごめんなさい、何でもないわ。少し疲れたみたい」
理央は目を逸らして言った。
いつもの理央らしくない取り乱しぶりに多少の困惑をしたものの、俺は気づかないふりをした。
そのときドアが開き、事務所に宇佐美店長が入ってきた。
「2人とも、これからお昼でしょう?西田マネージャーがカルボナーラを用意してくれたわよ」
「あ、今ドアを開けます!」
理央がトレイを持った宇佐美店長のためにドアを広く開ける。
トレイの上に半熟の卵が乗った、カルボナーラと暖かいスープが2人分乗せられていた。
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