再会

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「今日のランチメニューのデザートは何です?」 閃いた俺の問いに、コックはキョトンと答えた。 「コーヒーゼリーですけど」 「コーヒーゼリー…」 コーヒーゼリーはランチタイムに関わらず人気のメニューだ。 今日のランチデザートの為に、いつもより多く仕込みがしてあるだろう。 「あの、今からプリンの仕込みをしたらランチタイムに間に合いますか?」 「ギリギリだと思いますが、手伝ってくれる人がいないと厳しいですね」 確かにランチタイムまで時間はない。 俺はホールで接客中の碧山さんを呼んだ。 「何ですか?」 「碧山さん、お菓子が得意だったよね?」 「レパートリーは少ないんですけど」 碧山さんは、はにかみながら答えた。 「急で申し訳ないんだけど、今からキッチンに入ってくれないか?ランチデザートがプリンに変更になった。それを手伝ってほしいんだ」 「私が抜けたらホールはだれが…」 他のアルバイト達は午後からの出勤で、今は俺を含めて4人しかいない。
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