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「碧山さんがキッチンにいる間、俺と飯泉店長とでホールを担当する。午後から出勤するアルバイトが来るまでか、ある程度プリンが出来たらコックと相談してホールに戻ってもいいから、臨機応変に対応してくれ」
「佐京君」
俺は小さくなってる飯泉店長の存在を思い出した。
「飯泉店長には買い物をお願いします」
「買い物?」
店のお金が入った財布を手渡し、
「もちろんプリンの型です。時間がないので15分以内厳守」
有無を言わせぬよう満面の笑顔で言った。
飯泉店長は怒らない分、俺のこの笑顔が怖いらしく、一番の効果がある。
「鬼!」
言い残して店を飛び出して行く飯泉店長の背中を見送り、思わず笑みがこぼれた。
「マネージャー、怖~い…」
碧山さんがそう呟いてるのを聞いた気がするが、俺は聞こえないフリをした。
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