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心臓が大きく跳ねるのが止まらない。
薄い三日月の光と、広い間隔で点在する街路灯の下を早足気味になりながら進む。
夜になってくれて良かった。今の自分の顔はきっと真っ赤に染まっていて、とても人に見せられない。
思わず頬に手をやり、そのまま少しだけ指先をずらして唇に触れる。
さらに胸の音が大きくなった。
うわー恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!
思わず足を止めて、高潮する顔を押さえて頭を振った。
我ながらなんて大胆な真似をしてしまったんだろう。
返事はいつでも良いなんてカッコつけてきてしまったが、次からどんな顔して会えば良いのか。
けど……。
(嫌な顔は、してなかったよ、ね)
いきなり押し付けられた唇と告白に思い切り動揺はしていたけど、まったく脈がないならもっと困ったり嫌そうにする……と思う。
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