姫宮 -ヒメミヤ-

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 屋敷の掃除や庭の手入れなんかは月に数回のペースで通いの使用人がやってきているので全てを2人で済ませている訳ではないのだけど(普段4人しか暮らしていないくせに広すぎるんだこの家は)、それでも一定の生活レベルをこの屋敷が保っているのはやはり2人の力だ。  何より、2人はせつなのことを心から心配していつも気にかけてくれている。それだけで、どれだけ助けられているかわかったものじゃない。 「せつなちゃんの夕食はこちらに運ぶつもりですけど、祐樹くんはどうします?」 「僕もここで頂きますよ。お願いできますか」 「そう言うと思ってました。では夕食の支度まで私はもうしばらくせつなちゃんに付いてますから、祐樹くんは着替えてきてください」 「僕は別にこのままでも」 「駄目です。制服は学校へ行く装束。家に帰ったなら相応の格好をしてください。あと、まだ手洗いとうがいもしてませんね。わかってるんですから」  めっと可愛らしく怒られてしまい、渋々せつなの部屋を後にする。  しかし、あの人僕より8つも年上にはとても見えないよな。  常々考えていることをしみじみ思い返しながら、僕は洗面所へと向かった。
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