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「オレは…が学校辞める気でお仕事するってなら手伝ってあげるよ?」
「そこまで美月に迷惑かけらんねぇから」
いつからだろう、俺が自分の名前を忘れてしまったのは。
「迷惑とかじゃなくて、オレが好きにやってるだけなんだよねって聞いてる?」
俺はいつから、周りの奴らに名前を呼ばれなくなった?
あんまり意識しなかったけど、名前を呼ばれ無いのはなんだか寂しい。
「伊集院(イジュウイン)!」
「あっ、悪い」
苗字はちゃんと、聞き取れる。
「今日は飯食ったら家に帰って早く寝る事をお勧め」
「んー、自分が思ってるより疲れてるみたいだ」
しばらくすると、またあのメイクの濃い店員が両手に銀色のお盆を乗せその上に頼んだ料理をのせ運んで来た。
美味しそうな匂いが空腹の胃を刺激して、盛大にグーと音をたてる。
「うん、たーんとお食べ」
美月はクスクスと笑いながら、しっかりと手を合わせて味噌汁を一口口にするのを見て俺も手を合わせて、ハンバーグにナイフを立てる。
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