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「今日ライブなんですが見に来るっしょ?」
「んっ着替えてから行くから遅くなるかも」
いつも俺達が別れる、道までやって来れば美月は制服のズボンポケットからチケットを取り出して俺に渡して来た。
このやりとも、ずいぶんとたくさんやった気がする。
「じゃっ待ってるから、また裏から入って来てちょーだい」
「おう、じゃぁまた後でな」
貰ったチケットをズボンのポケットにしまい、俺は自分の家へと向かう。
今日もきっと、家に帰ればきっと俺の世話を任されてる水沼(ミズヌマ)が着替えから食事の準備に、部屋の掃除全部やられているんだろうな、それがたまに息苦しくなる時がある。
俺だって、年頃だから部屋には入って来て欲しくないし見られたくも無い、本だってある。
「お帰りなさい坊ちゃん」
「美月んとこ行くから、飯いらない」
「さようですか、お着替えの方は部屋に置いております」
「いつもご苦労さん」
二階にある自分の部屋に駆け上がれば、ベッドのシーツは新しいのに変わってるしちゃんと着替えも出されてるし、本と本の間に挟んだアッハン、ウッフンな本もご丁寧に取り出されて本棚に並べられている。
しかもタイトルがあいうえを順で、並んでる。
「恥ずかしくて死にたい」
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