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『動き出してんのよ?あなたは約束した「僕が君達を助けてあげる、僕も君達に沢山助けて貰ったから」って、なのに…お前はあの時うちらを助けられなかった、あの時は幼すぎたから』
「そんな約束した覚えは無い」
突然、電波の無いはずの携帯が着信を知らせる音を響かせた。
『忘れてるだけ、はやく思い出しなさいよじゃなきゃ大切な人が消えちゃう』
女の声が、ぷつりと消えてしまえばドアがすんなりと開いた。
俺はまだ、鳴り続ける携帯の通話ボタンを押す。
「もしも~し?」
「あぁ美月か」
携帯からは、俺の幼なじみの美月の声が聞こえて来た。
情けなくも、さっきのが怖かったらしくて携帯を握る手が震える。
「ライブ終わったけど、今はプラネタリウムの跡地?」
「悪い、ライブまでには行こうと思ってたんだ」
「良いよ、じゃあプラネタリウム近くにファミレスあったじゃん?そこに集合」
「分かった」
電話が切れれば、一度大きく息を吸い込み吐き出した俺はファミレスへと足を向けた。
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