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錬金術
「カイダ、お使いをたのむ」
「なんでやんすか?」
「回復薬作ってたら余りすぎたからな、ちょっと売ってきてくれ」
「がってんでやん……いくつあるんでやんすか?」
「15個」
「……何でそんなに作ったでやんす?」
「もちろん、ひ……」
「ひ?」
「い、いや、生計が厳しくてね」
「先生、それならやる気薬の方が高く売れるでやんす!」
「あ、うん、やる気薬は素材がすぐ無くなるからね、ダメだよ。暇つぶしに向いてな………」
「……やっぱり暇潰しだったんでやんすね」
「暇潰しですが何か?」
「……素材の無駄になるから暇潰し錬金はやめてほしいって言ってるでやんす」
「気にしないのがエルブクオリティ」
「…… なんか薄汚れてるやつもいくつかあるでやんす……失敗作でやんすか?」
「あ、それは森で拾ったやつだな。いらないから一緒に頼むよ」
(………………帰ってきたらちょっと仕返しするでやんす)
「ただいまでやんすー」
「おお、ご苦労」
「……先生の錬金のより森で落ちてたやつの方が高かったでやんす」
「…なんだと?
俺は森に負けた……?」
(き、傷ついたでやんす? 言い過ぎたでやんすか……)
「よしカイダ待ってろ! 今次のを錬金するから!! 高く売れるやつ!!」
「やっぱダメだったでやんすー!!」
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