ライカンの王

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ライカンの王

「よおゼルマル、今日からはこれだ!!」 「……おお! グントラム様、今日は一段とお似合いですな」 「ガッハッハ!! そうかそうか!!」 「前までは赤い水玉でインパクトも薄かったですが、これで改めて部下たちも注目するでしょう」 「やはり時代はイチゴ柄だな!! ゼルマル、お前もそろそろパンツに気を遣ったらどうだ? いつまでも灰色のボロじゃさみしいだろうに」 「は、考えておきます」 「いいか、ライカンの地位はパンツで決まる!! そうだな、初心者は白ブリーフから始めるといい。部下に今度、街で奪わせよう」 (はて、ここら辺ですかね……) 「!? ゼルマル、隠れろ!!」 「はいっ」 「グントラムさん? 魔王の……」 「…………」 「いませんかね? 今二人はここにいると聞いたのですが……」 「……なんだ、ソネか」 「あぁっ、グントラム様、いけません!!」 「あぁ?」 「あ、ちゃんといらっしゃいましたか」 「よぉ、今日はなんだ?」 「ふふ、今日はあなたにちょっとしたお土産………を…………」 「どうした?」 「あの………申し上げにくいのですが……」 「あん?」 「魔王の話は、なかったことで」 「はああぁっ!? おいソネ、待て!!! 」 「…消えました」 「ちっ、どういうことだ!!」 「おそらく………人間と私たちの趣味趣向は違いますから……」 「ソネ、グントラムの記憶を出せ」 「あ、いや、その…… 彼は、魔王には相応しくなかったようで」 「?」 (イチゴ柄………ですか)
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