お兄ちゃんは妄想症

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お兄ちゃんは妄想症

「ノエルさん、後は任せてください!!」 「いくぞエルブ君、元凶はあの箱だ」 「よしっ、開けるぞ!!」 「………ちょっと待て!!」 (見える……僕には見える!! あの箱の中が!! タコだ、タコがいるぞ!! つまりこれは……… 触手!! 触手!! 触手だ!! 触手に絡まれて痴態を見せるト・ウ・コ………!! なんという光景!! なんというユートピア!! プライド高き我が妹が、ほんのり頬を染めながら『見ないでください……!』 ああなんて素晴らしいんだ!! きっと彼女のことだ、他の男に気を許してなどいまい!! 未知の快感に身をくねらせる扇、情、的、光、景!! ああっしかし、トウコの美しい身体をいじるなんて役得をタコなんかにやらせるのが惜しい!! 私はタコになりたい……!! いや待て、そんな中からトウコを救いだしたら…… きっと全てを思い出す!! そしてその後に待っているのは魔王をも討ち滅ぼす魔法の言葉、『ありがとう……お兄ちゃん』!!!! うわあああああああ!!来たぞ、この世界最強の言葉、お兄ちゃん!!! やるぞ、僕はやるぞ!!!!!) 「さあ戦うぞエルブ君!!」 「…………あの、もう終わってますけど」 「タコがいたからびっくりしたでやんすけど、ハルツグさん抜きでも倒せたでやんす!!」
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