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いつも遊んでいた友人達は驚愕し、僕は一人顔を伏せていた。
君の顔を見ることがとても怖かった。
担任が教室から出た後、僕の周りには皆がいた。
「どうして転校するの?」
「なんでもっと早く教えてくれなったの?」
だが、そう言ってくれる人達は普段あまり話さない人が多く……友人達の姿は無かった。
僕は皆が聞いてくることをほとんど聞かず席を立ち友達を探した。
1時間は探しただろうか……誰も見つからなかった。
探していると、放送が始まり職員室に呼び出された。
嫌われたのだ、と諦め職員室に足を進めた。
廊下を歩いていた……その時、泣き声が聞こえた。
校舎の裏で友達数人が集まり泣いていた。
ここは僕たちが学校で遊ぶときよく使っていた場所だ。
その場を見た瞬間、僕は誰にも声をかけられなかった。
言えなかったこと、そして別れの顔……何もかもが戻らないことを知っていたのかもしれない。
一番……仲のよかった君が、僕が見ていることに気がついた。
僕が近くへ行こうとしたら、君が……皆を連れてどこかへ行ってしまった。
とてつもない虚しさと悲しさ、そして自分の不甲斐なさを見ているようだった。
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