2、変化

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 皆が去った後、その場所には涙の後があった。  僕は追いかけようとしたが、職員室から再度呼び出しがあり向かった。  後で謝ろう、そう心に決めて……。  だがそれを僕の周りは許してくれなかったのだ。  職員室のドアの前に待つ親を見た。  何度も腕時計を確認し、時間を気にしているようだった。  親は僕の姿を見ると、職員室の中に挨拶をして僕の方へ走ってくる。  僕が何かを言う前に、親が「時間がないから急ぐぞ」とその言葉だけで僕の手を掴むと走った。  いつも僕のことは無視をする、その後ろ姿だけはいつも見ていた。  今日ほどそのことを憎かった日はない。  走っている途中、友達を見かけた。  止まって謝ろうとしたら「時間が無い、急ぐぞ」と掴んでいた手を強く引っ張られ無理やり連れて行かれる。  僕が友達に挨拶を、と言う言葉さえ「時間がない」その一言ですべて消された。  そのまま車の中へ押し込むようにいれられ、車は出発した。  友達への謝れなかった悔しさ、後悔は続くが……何より別れの悲しみが強く心に残った。  一方、その頃……君は一人で隠れ家に居た。  逃げたこと、避けたことを謝るために……。  次の日もそのまた次の日も、君はその隠れ家へ足を運ぶ。  だけどもうこの町に僕の姿はなく遠くに居たため、君が僕に会うことは無かった。  しばらくして……僕たちの隠れ家には誰も訪れることは無くなった。  二人の隠れ家に一枚の手紙が置かれていたが……今の僕が確認することはなかった。  そして月日が経ち…数年後。
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