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「いえ、‥…それより貴方は鷲さんですよね?」
「あぁ、そうだよ」
絵月家の集まりだ。
鷲の名前と顔が一致してない方がおかしい。
鷲は“知ってて当たり前”という風にそう返答した。
「あの、私、この屋敷は初めてで…よろしければ、御手洗いの方を──」
「あぁ、そういうこと!
どうぞ、こっちに…‥」
そう言って鷲は立ち上がり、夕志も立たせると、しっかり腰に腕をまわして障子の方に夕志をエスコートしていく。
明らかに下心があるその手つきに、夕志は若干身震いしたが、どうにか耐える。
鷹峰の方をワザとらしく振り返って微笑んでみせると、鷲と共に開かれた障子の外に消えた。
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