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急いで部屋を突っ切り、外に出る鷹峰。
勿論、残された部屋の者たちはそれを話の種にして盛り上がっている。
「やっぱりあの女、鷹峰さんの恋人か何かよ!」
「それを鷲さんが盗んで…‥」
様々な憶測が飛び交う中、鷹峰の叔父・友和だけは、一人悶々と考えていたとか。
(あの顔、どっかで見たような…)
─── 一方、鷹峰はというと。
(どこに行きやがった!)
無駄に広い本家の屋敷。
部屋数はアホなくらいある。
けれども、そんなに時間は経っていないから、近くのどこかに居るはずなのだが…‥
近くの部屋から順々に障子を開けていく。
「‥………チッ、」
そもそも、夕志は何て言って、鷲をそそのかしたんだ?
もっともらしい理由をつけない限り、いくら鷲でも、いきなり一緒に連れ出しはしないだろう。……多分。
まさか、夕志がもろに女らしく誘惑するようなことはしないだろうし…‥
夕志が自分をあの姿で誘惑するのを想像した鷹峰は、たまらず頬を赤らめた。
(想像するだけで…‥
色気がありすぎる!)
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