284人が本棚に入れています
本棚に追加
夕志的にはなんだかよくわからない間に、恒例の鷹峰からの挨拶が終わり、再び宴会模様になった室内。
盛り上がる中、鷹峰はやっと、夕志を解放した。
「鷹峰っ!しっかり説明をっ…」
すかさず夕志が突っかかると、それに被せるように、後ろから声が響いた。
「鷹峰、
私にも説明してもらおうか。」
夕志が振り向けばそこには、鷹峰の叔父・友和が複雑そうな表情で鷹峰と夕志を見ていた。
(きっと友和様は、私の正体に気づいているっ…)
夕志はその表情からそう思い、途端に未だ肩に置かれていた鷹峰の腕を払って立ち上がり、友和の前で土下座した。
「この度のご無礼、……申し訳ございません。」
「いや、やはり君は、
……君塚君だね?」
「──はい。」
「私としたことが…‥
初め、気づかなかったよ。」
夕志と友和のやり取りを見ていた鷹峰は、それを想定内のことのように、微笑んで二人に声をかける。
「叔父さん、ちょっと話したいことがあるんだ。場所を変えよう。」
「……わかった。」
(ワザと私だけに知らせたのだな…‥)
──はぁ、鷹峰、恐ろしい男よ。
友和はため息をつくと、夕志の手をとって歩き始めた鷹峰の後を追った。
最初のコメントを投稿しよう!