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「はぁ、はっ、…た、かみねっ!」
鷹峰はその夕志の弱々しい抗議の声に、更に欲情した。
(ようやく夕志を抱くことができる!こんなに嬉しいことがあろうか。)
鷹峰は、小さな抵抗を繰り返す夕志を、夢中で喰らいつくす。
────……‥
何も考える暇を与えない鷹峰の愛撫は、夕志を骨抜きの状態にした。
もうお互い、何も纏っていないも同然。
背中に、畳の固くも柔らかくもない感覚を感じる。
「夕志、」
「っ、……‥」
夕志は、自分の下腹部に鷹峰の熱い、熱い塊を感じていた。
先ほど、鈍い痛みを持って、当然のことながら、誰にも見せたことのないところに挿入されたばかりなのだ。
もう、──最早、思考が追いつかない。
「俺は俺なりの方法で、お前をこうして形の上で手に入れた。
今度は、お前の心も手に入れる。
式は、お前が“本当に”俺の手に入ってからだ。」
「──たか、…みね…‥っ、」
「ま、すぐに落としてやるさ、
今は喘いで俺に感じろ、」
「──くっ…はぁ…ハ‥ぁ、あ」
早くなる鼓動。
同時に、奥を突く感覚が回数を増して、夕志を追い詰める。
(なんだかんだで、私の気持ちを少しは大切にしてくれるんですね…)
こんな時に、そんな真剣に囁かれたら、気がおかしくなる。
絶頂へと高まる感覚の中、
薄れる意識と共に、夕志は微笑んでみせた。
(もうとっくに私は、──落ちているのかもしれない……)
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