ユウ

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その場に居たものは、皆、その姿に目を見張った。 一方の夕志は、まっすぐ鷹峰の目の前に向かう。 鷹峰の周りに居た者は皆、自然と道をあけた。 「あの人、誰かしら。」 「もしかして鷹峰さんの…」 ひそひそと聞こえる会話に、夕志は少し眉をひそめる。 しかし鷹峰はそんなことどうでもいいらしく、近づいてくる夕志から目を離さない。 そして、鷹峰の目の前まで行くと、丁寧に正座し、頭を下げた。 「新年、あけましておめでとうございます」 形式上、どれだけ今苛立っていようと、やらなくてはならない挨拶だ。 夕志のその口調は、どこか、嫌みを含んでいたが、鷹峰は満足そうに口元を緩めた。 「鷹峰、このお美しい方は?」 挨拶も済んだとみて、すぐさま、鷹峰の傍にいた鷹峰の叔父・絵月友和(ともかず)が、そう尋ねる。 鷹峰は自信たっぷりに夕志を紹介した。 「私の秘書です。有能な。」 「お初にお目にかかります        ‥……友和様。」 「初めまして。 流石、鷹峰の秘書なだけある。 確かに有能みたいだな。」 初対面なのに鷹峰の叔父の顔を知っていたと思い、友和は夕志の能力をまず認めたようだ。
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