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懐から取り出した煙草に火をつけ、ネタになりそうな事がないものかと周囲を漠然と見回していると、あるものに目が止まった。
今のご時世珍しい真っ白なワンピースを着て、長い栗毛を風になびかせた、多分小学生くらいの少女が、私の対になる位置の所にあるベンチへ腰掛け、空を見上げていた。
私がまず思ったことは、『学校はどうしたのだろうか』とか『なぜあんなところに一人で座っているのか』などではなく、『あの少女を小説のネタに出来ないだろうか』という事だった。
そう考えてしまった私は、しばらく少女を凝視することにした。
端からみたらかなり危ない人間に見えるだろうが、その時はそんな事など考えてもいない。
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