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そうですかと彼女は私に言うと、また空を見上げ、私達から会話が途絶えてしまった。
見ず知らずの少女、しかも小学生くらいにしか見えない彼女と、それに並ぶ、どう見ても親類の類いには見えない私。
道行く人々に、私が変質者に見えていないのだろうか。 少し心配にもなったが、なにぶん体が動こうとしなかった。
しばらくの沈黙に耐えきれなくなった私は、彼女に話しかけようとするが、言葉が出ない。全く、本当に情けない。
話題を出そうと彼女の方をチラチラ見ていて、
「なぜ君は空を見上げるんだ?」
ふと私の口からそんな言葉がこぼれてしまった。
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