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「そりゃもう!さすがに全部を探検してる場合じゃないですけど、仕事で来てますから…あっ、仕事で思い出しました。中さん、もうすぐ本番ですよね?お話があるんですけど…ああどうしよっかなぁ、終わってからの方がよろしいでしょうか?今話をすると、本番に集中出来ないんじゃないかと思うんですが…」
「別に今でも結構ですよ」
香子は志津里の言葉を遮った。
「そうですか、ありがとうございます」
「私が断っても話すつもりでしょ?だからこんなタイミングでやって来たのよ。違う?」
「まあ一応断った方が良いかと思いまして…」
志津里は心の内を探られた事に少し照れながら言った。
「あの、出来れば2人でお話出来ればと思っているんですが…いかかですか?」
香子は時計に目をやる。9時25分を回ったところだった。
「良いですよ。せっかくだからスタジオ行きましょうか?」
「スタジオですか?ニューストレインの?」
目を開いて驚く志津里に香子は少し笑った。
「そうですよ。少し早いけど、ゆっくり話しながら行って、スタジオで見学なさったらいいわ」
「見学ですか?いやぁ嬉しいなぁ。バラエティーと違ってニュース番組は見学ってなかなかないからなぁ」
志津里の言葉からは驚きと感動が伝わった。
「じゃあ行きましょうか?」
志津里は頷いて2人はアナウンスルームを後にした。
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