第三章 1000万人の証言者

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「そうですね。ただ…ニューストレイン内でトラブルがあったとか?小耳に挟んだんですが…」 「誰が言ってたの?」 香子は怪訝な表情になった。 「それはちょっとお教えできませんが、本田さんって結構ワンマンなところもあったみたいで中さんの降板にも積極的だったそうですね」 「刑事さんは情報が早いのね」 一部のスタッフしか知り得ない事をなぜ志津里が知っているのか…香子は疑問に思った。 内心香子の降板に反対だった人間が多い中で、香子に不利な証言をする事は無い。一体誰が志津里に教えたのだろう…謎は膨らむばかりだ。 そして2人はスタジオに通じる階段を下る。 「だったらあなたは犯人はニューストレインの関係者にいると言いたいの?」 「いやぁまさか、断定は出来ないですよ。こんな時はあらゆる可能性の考えるだけですから」 志津里は手を振りながら否定する。 「でもみんな無理じゃないかしら、本田が殺されたのはもう本番中よ。誰も殺しに行くなんて不可能じゃない?」 「でも昨日は本田さんが居ないからてんやわんやだったんでしょ?だったら1人くらい抜けてもわからないんじゃないでしょうか?」
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