第三章 1000万人の証言者

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スタッフが香子にマイクを付け出した。すると、もう1人のスタッフは志津里にマイクを付け始めた。 「ちょっと、何してるの?僕は出ないよ」 「えっ?」 スタッフは戸惑う。するとブースからスタジオに声が響いた。 「そこの席にいる男は誰だ?つまみ出せ!」 志津里は思わず立ち上がる。 「ああ、すみません。もう帰りますから…あっ、これ外さないと」 絡まりながら志津里はマイクを外してデスクに置いた。 「志津里さん、ごめんなさいね。また何かわかったら教えて」 「はい、もちろん。じゃあまた」 志津里は手を上げてスタジオを去った。 変な心配が無くなったわ…香子は安心するとデスクの上の原稿に目をやった。そして香子は仕事に挑む眼になっていた。
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