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「お疲れ様です!」
本番終了後、スタジオには大きな安心感が空気となって広がる。それは香子や多くのスタッフの気持ちが1つの塊となっているようであった。
香子は緊張の糸をほどいて原稿を整理していると、ふと頭を過った。
降板の話をしたのはまさか…
香子は相沢由佳の方を見た。由佳は澄ました表情で原稿をまとめて立ち上がった。
「相沢、ちょっと」
「お疲れさまです。何ですか?」
由佳は軽く笑顔を見せて香子の方を向く。
由佳の不敵な笑みは相変わらず考えを読ませない。
香子が由佳を好きになれない要因だった。
「あなた、刑事さんに何か話した?」
「確かに刑事さんには会いましたよ。かわいいネクタイした刑事さんでした」
やっぱり志津里に会っていたと香子の嫌な予感が的中した。
「でも、何かって何ですか?」
「彼はニューストレインの関係者が本田を殺したと思っているらしいの。あなた、私の話をしたんじゃない?」
「まさか…香子さんが犯人だとか言ってませんよ」
「そんな事言ってるんじゃないの。私の降板話が持ち上がったって事話したかって言ってるの」
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