第四章 イヤな女

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香子は強く言った。 信じたくは無いが、彼女の仕業である可能性が高い。 すると、由佳は口を開いた。 「ええ、話しましたよ」 悪びれることもなく言う由佳に香子は嫌悪感を抱かずにはいられなかった。 「やっぱりそうなの」 「いけませんでした?刑事さんが何か知らないかって言ってきたので、何か協力しないと思って」 由佳の行為は無知からくるものではなく、明らかな策略であると香子は感じた。 「そう…でもそうなったら捜査が入って仕事に支障が出るでしょ」 「大丈夫じゃないですか?さっきも本番前にスタジオに刑事さんが来てたみたいですけど、香子さんもスタッフも全然影響無かった様に見えましたよ」 由佳はトーンをそのままに反論する。 「そんな問題じゃないでしょ。わからないの?今はプロデューサーがあんな事になって番組のスタッフはみんな結束しなきゃいけないの、それなのに今そんな事したらみんなナーバスになって疑心暗鬼に陥るわ。輪を乱すなと言ってるの」 「香子さんの言う<輪>って何ですか?みんなあなたの言う事を聞けって事ですか?」 由佳は椅子に座り直して言う。口調は至って落ち着いている。 「そういうことじゃないわ」 「そうでしょう。警察が睨む事で香子さんはスタッフからの信頼を失くすんじゃないかと恐れてる。違います?」
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