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志津里は佐川と共にまた閑散とした事件現場を訪れた。
ゆっくりと扉を開け、志津里は顔の前で埃を払いながら部屋の灯りを点けた。
「この部屋ほんとに物置って感じだなぁ」
「建物はすごくキレイなんですけどね。どうもこの部屋のギャップが…」
佐川も苦笑いで話す。
「とりあえず何かわかるかもしれないからこの部屋を片っ端から洗って」
「わかりました」
志津里と佐川は部屋の奥へと進んだ。
「そういえばさぁ、今日ってクリスマスだって知ってた?」
志津里が気の抜けた声で言う。
「知ってますよ。来る途中すごく人がいましたから」
「彼女はいるの?」
「います…」
佐川は落ち込む様に答える。
「そりゃあ大変だなぁ。やっぱり彼女怒るでしょ?」
「ええまあ…プレゼント買ったんだけどなぁ」
「僕も娘とクリスマスらしい事ってなかなか当日にはしてないなぁ。娘もプレゼントもらえてケーキ食べられりゃいいから最近は前後の空いてる日にやってるよ」
「理解あるんですね」
「慣れっこみたいだよ。小さい時は駄々こねたりしたからサンタクロースだけは絶対やったけどね」
志津里の世間話が忙殺されていた心を和ませていると佐川は感じた。
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