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「ええ…あの、今ちょっと電話…」
「いやぁそれにしてもテレビ局に来たら今日はクリスマスだっていうのにやっぱり働いてる人も多いからなんか錯覚しちゃうなぁ」
諦めた坂東は「後程折り返します」と電話を切った。
「どうしたんですか?」
「さっきあの部屋で壺割っちゃって、おっきい音がしたもんで…びっくりなさったでしょう?」
「そうなんですか?全然音はしなかったけど…」
坂東がそう言うと志津里がどこかを見つめて固まっていた。
「あの、刑事さん?」
坂東が声をかけると、「どうも」と言って志津里は部屋へ急いで戻った。
「警部、破片は集めました。だからほうき…」
志津里は佐川を通り過ぎ、奥のステレオのプラグを差し込むとスイッチを入れた。
「警部?」
佐川は思わず声をかけた。
「なるほどなぁ…そうだったか」
志津里はしみじみ納得している。
「佐川君、この部屋の暖房って何℃だったの?」
「最高に設定されてました。27℃です」
「そっか」
志津里は鼻歌混じりで笑顔を見せながらドアを目指した。
「ちょっと、破片はどうするんですか!?」
そんな佐川の言葉も耳に入らないといった具合で志津里は部屋を出た。
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