最終章 伝えられた真実

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「今のは当然覚えてますよね?」 「もちろん。横にいるもの」 相沢由佳の珍しいミス…香子は忘れる訳が無かった。 「それで次はこっちです。じゃあお願い!」 するとまたモニターが動き出す。今度は中継の記者と香子が話している。 『はい、こちら木下です』 『今荻原容疑者はどの辺りまで事実を話したのでしょうか?』 『はい。今とりあえずは2件の容疑を全面的に認めています。しかし事件の詳しい部分に関しては時間をかけてこれから明らかになるものと思われます』 『荻原容疑者と高杉容疑者の証言に食い違いがある様ですが、これまで強盗は1人だと報道されている事から実際の関与はどのくらいのものでしょうか?』 「はいストップ!」 再び志津里の掛け声でモニターは静止する。 「わかりますか?相沢さんは事件の犯人の名前を間違えてるんです。捕まったのは荻原健吾容疑者、しかし彼女は萩原って言ってます」 「はっきり覚えてるわ。あのミスは彼女らしくなかった。いつも冷静な彼女があんなミスするなんて何か考え事でもしてたんじゃないかしら」 香子は回想しながらもこんな事がなんの証明になるかさっぱりわからなかった。 「いやぁ、彼女はむしろ仕事にプライドを持ってやってると思います。彼女が間違えた原因は彼女にはありません」
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