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のどかな町
それだけが取り柄の町だった。
「ねぇ、見た?昨日のニュース」
騒然とする教室の話題は全て同じとこらしい。
「ゆき、なぁ聞いてんのかよ」
「ん?ああ…」
ゆき、と呼ばれた青年の名前は向後裕之(こうごひろゆき)
身長186cm、ソフトモヒカン
彼に話しかける青年は朝賀行幸(あさかみゆき)
身長170cm、長めのツーブロック
二人は小中高ずっと一緒の幼なじみであり、ある意味兄弟でもあった。
「知ってるか?あの事件の噂」
「え?猟奇殺人事件じゃねーの?さらって殺すじゃなくて?」
机に乗り出して行幸が裕之を上目遣いに見る
「ちげーよ、鏡の噂」
裕之の目がいぶかしげに細くなる
「深夜3時33分に鏡を見ると自分の死に顔が見えるってやつ。」
「ああそれか。」
「…ここまでは皆知ってる。」
「は?」
じらす行幸にじれったくなり発した声が意外にでかく、皆が振り向く
「…すみません」
「いいよ、で…その噂には続きがあったんだよ。」
行幸が一呼吸おいて話しだした
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