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早く殺してくれ……。
そう言いたいが、口が思った通りに動かない。
「ねぇお兄さん、楽しかったよ」
抜いたナイフに着いてる血をペロリと舐めながら少女が悲しげに言う。
「もう十分壊しちゃったから……壊れた物には興味無いの」
「な……に………ぉ……」
辛うじて声が出た。
「だってお兄さん、もう壊れた顔して無いんだもん、早く殺せって顔」
あぁ……だから早く。
「そんな人、いくら壊しても無駄、だから……」
ナイフの位置が胸から首に移った。
あぁ……これでやっと……。
「なんて言うと思った?」
少女の意地悪そうな声がした。
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