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目が覚めても、目に映るのは白い無機質な天井だ。
目が眩む。
全身の感覚がないことが、絶望に追い打ちをかける。
コンコン
ドアがノックされた。
「開いてます」
昨日の娘さんだ
「あの…」
「昨日は、すいませんでした。八つ当たりしました。少しだけ許してください」
「その…」
「君を巻き込む必要はなかったのに。昨日、先生が教えてくれました障害者認定で最低限生きていけるそうです。臨床献体すれば医療費も免除だそうです」
天井は、白い。
今朝の空は青いのかな。
「私に出来ることなら何でもします!」
「いいですよ、ベッドに縛られて実験動物の道しかない僕には何もないですから」
「でも、メールでもひどいことを」
「は?」
「あれから、妹さんとメールしてたんですけど。話しいたら間違いメールしてたの私なんです」
「そうですか。何か付きまとわれて大変そうですね」
これだけの美人だ。
勘違い野郎が出てもおかしくない。
俺の言ったことも、最低だけど理由は似たり寄ったりだな。
笑ってしまう。
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