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「……」
期待は裏切られるものだ。宝くじぐらいの、小さい期待だけだったのは幸いだった。
何も、誰もいない。
まっさらな黒板。
40の古びた机と椅子。
教壇。教卓。クリーナー。
埃を被っているということ以外は、僕のいる教室と何ら変わらない姿だった。面白味の欠片もないとはこのこと。実につまらない。ハイリスクを犯した割に、ローのリターンさえない。僕の、何の新鮮味のない人生に、スパイスでも加わるかと思っていたのに。
下らないことをした。
らしくないことはするものじゃない。
所詮は、わき役に過ぎないのだから。
ユウキが待っている。
早く帰ろう。僕の今後の評価にヒビが入っては困る。
廊下へと一歩、足を踏み出す。
その瞬間だった。
「みーつけた」
僕は「鬼」に見つかった。
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