一章 意味のないこと

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「ジョーダン」 彼女はぶらぶらと前後させていた足を大人しくさせた。どっちにしろ見えていない。別に残念ではないけれど。 彼女は「ジョーダン」に対しての僕のリアクションを待つことなく、そのまま続けた。 「見えたんだね、私の影」 それは何を意味しているのか。遠回しに「幽霊です」と自己紹介でもしているつもりなのだろうか。それはそれで面白い。本物であっても、偽物であっても。 「見えたけど?」 影。 やっぱり、と彼女。 話は出口のないトンネルへ。 「君で3人目」 霊能力者が? 訊ねる。 今度は彼女が「はっ?」 腹が立った。
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